コーヒーの生産地
世界のコーヒーの生産地は、北回帰線~南回帰線(およそ北緯23.5度~南緯23.5度)の「コーヒーベルト」に沿って広がっています。
この地帯は温暖な気候と適度な降水に恵まれ、土壌や標高、精製方法の違いが個性的な風味を生み出します。
一般にアラビカ種は香味が豊かで、ロブスタ種は苦味とボディが強いのが特徴です。
コーヒーベルトとは
北回帰線と南回帰線の間に広がる栽培地帯の通称で、高地で育った豆は昼夜の寒暖差により、酸味や香りが一層際立ちます。
標高1,000~2,000mのエリアは特に高品質な豆の産地として知られます。
地域別の特徴
中南米
- ブラジル:ナッツやチョコのような甘さ、穏やかな酸味。世界最大のコーヒー生産国。
- コロンビア:柔らかな酸と甘さ、香りの華やかさ。
- グアテマラ(アンティグア等):カカオやスパイス感、厚みのあるボディ。
- コスタリカ(タラス等):明るい酸とクリーンな後味。
- ジャマイカ(ブルーマウンテン):非常にバランスが良く上品。
アフリカ・中東
- エチオピア(イルガチェフェ等):紅茶のような香り、柑橘や花の香り。コーヒー発祥の地。
- ケニア:黒ベリーやグレープのような果実味、力強い酸味。
- タンザニア(キリマンジャロ):爽やかな酸とキレ。
- イエメン(モカ):ドライフルーツやスパイスの複雑な香味。
アジア・太平洋
- インドネシア(マンデリン):ハーブやスパイス感、重厚なボディ。
- インドネシア(トラジャ):ビターなコクと甘苦い余韻。
- パプアニューギニア:穏やかな果実味とクリーンさ。
- ハワイ(コナ):滑らかで甘い後味。
産地名の銘柄例
- キリマンジャロ(タンザニア北部)
- モカ(イエメン)
- ブルーマウンテン(ジャマイカ)
- アンティグア(グアテマラ)
- タラス(コスタリカ)
- イルガチェフェ(エチオピア)
- マンデリン(インドネシア・スマトラ)
- トラジャ(インドネシア・スラウェシ)
産地別コーヒーの選び方
- 地域でざっくり:中南米=バランス、アフリカ=華やかな酸、インドネシア=重厚。
- 精製方法で違いを楽しむ:ウォッシュトでクリーン、ナチュラルで果実感。
- 焙煎度で味の方向を調整:浅煎りは酸と香り、中深煎り~深煎りはコクと苦味。
キーワード辞書
- コーヒーベルト
- 北回帰線(北緯23.5度)~南回帰線(南緯23.5度)の間に広がる、コーヒー栽培に適した地帯。
- シングルオリジン
- 特定の国・地域・農園など、単一の産地由来の豆。
- マイクロロット
- 農園内の小区画や特定の期間に収穫された、品質管理を徹底した限定ロット。
- スクリーンサイズ
- コーヒー豆の粒径を示す規格。
- カッププロファイル
- 酸味・甘さ・ボディ・後味などの総合的な風味評価。
まとめ
コーヒーの生産地は、その豆が持つ風味の方向性を知るための重要な情報です。
まずは地域と精製方法、焙煎度の組み合わせを試し、自分の好みに合う一杯を見つけることが大切です。