マイワシによる銀のカーテン

こんにちは、大水槽担当の飼育員です。きょうのマイワシの大群は、とても機嫌がよくて、光に合わせて面の向きをすっとそろえていました。いっせいに方向転換すると、銀の粒が雨みたいに走って、思わず見入ってしまいます。

朝は水面近くで帯になりやすく、昼は少し深いところで大きな輪をつくることが多いです。夕方は照明が落ち着くので、斑(まだら)に反射するきらめきがはっきり見えます。給餌の合図が出ると密度が上がって、小さな渦にまとまりますが、すぐにほどけてまた一枚の布みたいに広がります。

ご覧になるコツは、ガラスから半歩さがって、正面より少し斜めに立っていただくことです。群れの“面”が見やすくなります。写真はフラッシュなしで、短い動画を撮って後から静止画を切り出すと失敗が少ないです。写り込みが気になるときは、レンズをガラスに近づけてみてください。

裏側の仕事は、水流の向きと強さを整えることが中心です。強すぎると群れがばらけ、弱すぎると動きが眠くなるので、ポンプの角度を少しずつ調整しています。きょうは新しい循環が良い感じで、終日きれいな面が出ていました。

次にお越しの際は、群れの“端っこ”の動きにも注目してみてください。端が合図のように向きを変えると、波が伝わるように全体が回転します。静かな見どころですが、とても美しい瞬間です。ゆっくりお楽しみいただけたらうれしいです。

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